工事の概要
キッチンなどの補助防水は、部屋全体に新しい防水層をつくる工事ではありません。シンク下の配管貫通部、外窓の枠まわり、エアコン配管穴など、水や外気が入る小さな経路を特定し、劣化したシーリングを除去して、用途に合う材料とキャップで連続してふさぐ工事です。

この工事が必要な場合
キッチン収納を設置する前で配管貫通部と壁の下部が見えている場合、窓交換後にシーリングが途切れている場合、エアコン配管穴が外部へ通じている場合には、部分的な補助シーリングが有効です。ただし、広い範囲が濡れているときは別です。壁や床の内部、配管、窓本体から水が入っていないかを調べてから施工してください。
着工前に決めること
小さなシーリング工事でも、対象位置と責任範囲を一覧にしておくと施工漏れを防げます。
- シンク下、配管貫通部、外窓、エアコン配管穴のうち、どこを施工するか
- 既存シーリングをどこまで撤去し、接着面をどのように清掃するか
- 室内と屋外の各場所に合うシーリング材とキャップを使うか
- 硬化するまで水の使用と窓の開閉をどのくらい制限するか
見積書で確認すること
見積書は、次の質問で内容を確かめてください。
- 施工する場所と数量は、一覧や写真で示されていますか。
- 既存シーリングの撤去と、カビや汚れの清掃は含まれていますか。
- 外窓と外壁の配管穴は、外側からの作業も含まれていますか。
- 使用するシーリング材とキャップの用途、色、施工場所は区別されていますか。
- 硬化後に隙間、浮き、接着不良を再確認する検査は含まれていますか。
シンク下、窓まわり、配管穴の写真があれば、水の侵入経路と実際にシーリングが必要な範囲を一緒に整理できます。
現場で確認する順序
補助防水は、原因が分からない漏水をシリコーンで隠す作業ではありません。水が入る方向と動く接合部を先に調べ、必要な場所だけを適切に準備して密封します。
- 対象位置・接着面整理完了

シンク下の配管、外窓の外周、エアコン配管穴を見て、水や外気が入る方向と隙間の動きを確かめます。浮いたシーリングの上に重ねず、健全な接着面が出るまで除去し、ほこり、油、カビ、水分を取り除きます。 - 補助防水・キャップシーリング完了

深い目地にはバックアップ材を入れ、配管貫通部、窓枠、配管穴のキャップを用途に合う材料で切れ目なくシールします。窓の排水穴はふさがず、キャップの全周が壁に接着しているか確認します。 - 成形・硬化管理完了

シーリングを一定の幅と深さに押さえて成形し、始点と終点が薄くならないように整えます。製品指定の時間は水と動きを避け、硬化後に軽く押して、ひび割れ、開いた端部、柔らかい部分がないかを確認してから使用を再開します。
不具合が起きやすい場所

- 外窓のシーリング 劣化した材料を残したまま重ねると接着が弱くなり、雨水の侵入や結露跡が繰り返すことがあります。
- シンク下と配管貫通部 シールが途中で切れると見えない場所に湿気がたまり、カビや仕上げの傷みにつながります。
- エアコン配管穴の外側 外側のキャップやシールが不足すると、配管まわりから雨水や虫が入ることがあります。
シリコーンのひび割れは、原因ではなく症状の場合があります。接着面の汚れ、目地の動き、外部の水路、配管漏れを確認してから補修内容を決めます。
接合部から離れた壁や床まで濡れ続けるなら、単純なシーリング補修として進めないでください。収納や仕上げで隠す前に、配管または窓の担当者が水の経路を特定する必要があります。
工期と残す記録
施工の目安は約1〜2時間ですが、既存材の撤去、接着面の乾燥、製品の硬化には別の時間が必要です。作業の終了時刻に加え、水の使用、窓の開閉、キッチンの通常使用を再開できる時刻も確認してください。
施工前の隙間と汚れ、既存材を除去した接着面、使用製品、完成したシール、外側のキャップを場所ごとに撮影します。一枚の引き写真だけでは、すべての開口部を処理した証拠になりにくいため、位置を分けて記録してください。
配管試験が終わり、収納で壁の下部が隠れる前が最も確認しやすい時期です。前後の工程も見ると、各開口部を誰が処理するかを明確にできます。