工事の概要
浴室床タイルは、防水検査と乾燥が終わった床で、排水口と敷居の高さを基準に水勾配をつくる工事です。タイルを確実に圧着し、目地で隠れる前に排水、浮き、段差まで確認します。

この工事が必要な場合
浴室を全面撤去した場合や、床タイルと排水口の位置を変える場合は、防水層の検査後に新しい床仕上げと水勾配をつくります。目地やシーリングだけを補修するなら、床タイルを全面的に貼り直す必要はないかもしれません。水たまり、浮き、ひび割れの範囲と、防水層に触れる工事かどうかを先に確認してください。
着工前に決めること
タイルを選ぶだけでは足りません。着工前に、次の5点をそろえて決めておきます。
- 床に使うタイルの寸法、表面仕上げ、必要数量
- 排水口と敷居の仕上がり高さ、水を流す方向
- 一枚物と切り物の配置、排水口まわりの加工方法
- 水勾配をつくる下地材とタイル接着材、施工方法
- 目地施工前に確認する排水、浮き、段差の合格基準
見積書で確認すること
見積書は、次の質問で内容を確かめてください。
- 防水層の保護と必要な下地補修はどこまで含まれていますか。
- 水勾配の下地材とタイル接着材は指定されていますか。
- タイルの数量とロス、排水口と敷居まわりの加工費は含まれていますか。
- 排水、打音、段差は、いつ誰が確認しますか。
- 水たまりや浮きが見つかった場合、補修と再検査は含まれていますか。
現場で確認する順序
浴室床タイルで大切なのは、模様よりも水が自然に排水口へ流れる床をつくることです。防水層を傷つけず、割り付け、圧着、水勾配の順に確認してください。
- 防水層・水勾配基準確認完了

湛水試験の合格記録と防水層の状態を確認し、敷居、シャワーブース、排水口の高さを基準に水勾配を決めます。タイルを乾いた状態で仮置きし、排水口まわりに極端に小さな切り物が出ないか、目地の方向が整っているかを見ます。 - 床タイル貼り付け完了

下地とタイル裏面の両方に接着材が隙間なく触れるように塗り、一枚ずつ十分に圧着します。排水口まわりの加工幅をそろえ、隣り合うタイルの段差と目地幅を整えながら、計画した水勾配を保ちます。 - 勾配・浮き検査完了

接着材が固まる前に複数の場所から水を流し、排水口まで途切れずに流れるかを確認します。養生後は打音で空洞を探し、素足で歩いたときに鋭く出た角や動くタイルがないかを検査します。
不具合が起きやすい箇所

- 水たまり 排水口へ向かう勾配が足りないと、使用後も水が残り、目地の汚れが繰り返し発生します。
- ひび割れと浮き タイル裏の接着材が十分に回っていないと空洞ができ、ひび割れや剥離の危険が高まります。
- 敷居の端部 出入口で防水層が露出したり傷ついたりすると、仕上げの下に漏水経路が残ることがあります。
- 隣り合うタイルの段差 高さがそろっていない角は足に当たり、水の流れも妨げます。
水たまりがあっても、水勾配だけが原因とは限りません。排水口の高さと詰まり、目地の状態も一緒に確認してください。打音で空洞が疑われる場所は、範囲、タイルの動き、ひび割れの有無を見て補修の必要性を判断します。
ひび割れや敷居端部の防水層の損傷が疑われる場合は、目地と器具の施工をいったん止めます。タイルと防水の担当者が、露出させる範囲と補修方法を決めてから再開してください。
工期と残す記録
床タイルの実作業は約4〜8時間が目安ですが、防水層の乾燥確認、施工後の養生、検査と補修は別に必要です。目地施工までは最低24時間の養生を目安にしつつ、実際の製品仕様と現場の温湿度を確認してください。
タイルの製品名、ロット、寸法、施工前の防水層、水勾配と割り付け、排水口と敷居の加工、排水試験、打音、段差検査、補修位置を写真で残します。目地と器具を施工した後は、タイル下の状態を確認しにくくなります。
浴室床の写真やタイル工事の見積書があれば、水勾配、排水口の割り付け、浮き検査の範囲を一緒に確認できます。
浴室床タイルは、防水層の上で排水勾配を仕上げる工事です。前工程の防水と、後工程の目地や器具取付を続けて見ると、水が残る場所や仕上げが途切れる箇所を見つけやすくなります。
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