この工事で行うこと
不具合点検では、完成した空間を実際の暮らしと同じように動かして確認します。扉と引き出しを開閉し、床を歩き、電気、給排水、暖房、換気を運転します。見つけた問題には場所、症状、写真、担当工種、完了条件を残し、補修後も同じ条件で再確認できるようにします。

検討したいケース
竣工清掃で仕上げ面が見えるようになった後、顧客への引き渡し前に行います。工事範囲が小さくても、手を加えた壁、床、家具と、そこにつながる電気や配管は一緒に試してください。入居済みの場合は安全を確保し、荷物で隠れた区画を分けて確認します。
点検前に決めること
項目を増やす前に、何をどの条件で確認し、どの状態を完了とするかを合わせます。
- 部屋ごとの仕上げ、建具、窓、家具と、電気、給排水、暖房、換気、安全設備の点検範囲
- 場所、症状、担当工種、補修期限、再検査結果を一つの番号と写真で管理する方法
- 感電、漏水、ガス、固定不良など使用を止める項目と、急を要しない外観上の項目の優先順位
- 施工者と顧客が確認する日程、判断が分かれたときに見る図面、契約、製品基準
見積書で確認すること
現場を一周するだけでなく、機能試験、記録作成、補修後の再検査まで含むかを確認します。
- 各室の仕上げ、扉、窓、家具、コンセント、スイッチ、照明、電子錠を実際に動かして確認しますか。
- 水栓、トラップ、排水、給湯、暖房、フード、換気扇を運転状態で試しますか。
- 場所と写真、担当工種、期限、完了条件が分かる不具合一覧を作成しますか。
- 重大な不具合への即時安全措置と、補修後に同じ条件で行う再検査が含まれていますか。
部屋ごとの写真、症状、工事範囲、既存の不具合一覧があれば、危険度と追加で必要な試験を一緒に整理できます。
現場で確認する順序
試験条件と記録方法を整え、仕上げと家具を確認してから、電気、給排水、設備を実際に動かします。
- 点検道具・記録基準準備完了

電気、水、暖房、換気が試せる状態かを見て、図面、契約範囲、点検表、位置表示を用意します。感電、漏水、ガス、固定不良は緊急項目として分け、写真には部屋全体と問題箇所の両方が分かる番号を入れます。 - 仕上げ材・木工・家具点検完了

明るい光と斜めの光で塗装と壁紙を見て、床全体を歩き、浮きと音を確認します。扉、窓、引き出し、家具扉を何度か動かし、場所、再現する症状、補修後の完了条件をその場で記録します。 - 電気・配管・設備点検完了

コンセント、スイッチ、保護装置、電子錠を試します。すべての水栓で湯水と排水を流し、トラップと継ぎ手を乾いた紙で確認します。暖房は部屋ごとの差が分かるまで運転し、フード、換気扇、感知器などの安全設備まで確認して補修期限を決めます。
不具合が起きやすい場所

- 仕上がって見える無通電コンセント プレートが付いていても結線漏れや回路違いは外観から分かりません。すべての差込口を通電確認しないと、入居後に家電をつないで初めて気づきます。
- 下部収納内で続くわずかな漏水 水栓とトラップの継ぎ手を手と乾いた紙で確認しないと、小さな水滴が長く家具と床へ染み込み、膨れやかびにつながります。
- 暖まらない床暖房の区画 熱源機の表示だけを見て床温度を比べない場合、閉じたバルブや循環不良で一室や一部だけ冷たい状態を見落とします。
- 状態を確認できない感知器 天井仕上げ後に表示と接続を確認しないと、重要な安全設備の異常を引き渡し前に発見できないことがあります。
不具合の数より、再現できる記録が重要です。異常ありで終わらせず、どの操作で何が見え、聞こえたか、補修後に何をもう一度試すかを書いてください。
位置番号、全景と近接写真、機能試験動画、担当工種、期限、安全措置、補修記録、再検査結果を一つの一覧で続けて管理します。
工期と残す記録
目安は約4〜8時間です。電気、給排水、暖房には準備と運転時間が必要なため、短い訪問で外観だけを見るのではなく、設備を十分に試せる予定を組んでください。
補修のたびに元の一覧を消さず、担当者、補修方法、完了日、再検査結果を同じ項目へ追加します。これで未完了項目を引き渡しまで追跡できます。
不具合は発見して終わりではありません。補修方法を決め、同じ条件で再検査し、残った項目を引き渡し記録へつなげます。