工事の概要
事前点検と実測では、図面と実際の住戸を照合します。主要寸法、設備位置、残す範囲と撤去範囲、既存不具合を記録し、見積、製作発注、その後の各工種が同じ現場基準を使える状態にします。

この工事が必要な場合
全面改修だけでなく、窓、収納、タイル、配管、電気位置の変更が製作発注に影響する部分工事でも必要です。正確な竣工図があっても、その後の変更や既存不具合は反映されていないことがあります。図面だけで発注せず、現場で確認する範囲を決めてください。
着工前に決めること
点検を始める前に、調査範囲と記録の残し方を決めます。
- 撤去する仕上げと残す仕上げ、収納、設備の範囲
- 窓、壁、天井高など製作発注に必要な実測項目
- 分電盤、水道とガスメーター、点検口、配管、排水口の位置
- 漏水、結露、カビ、ひび割れなど既存不具合の確認範囲
- 写真名、位置表示、図面修正を担当する人
見積書で確認すること
見積書は、次の質問で内容を確かめてください。
- 製作発注前の最終実測と寸法承認は、誰が行いますか。
- 点検口を開けて配管と電気位置を確認する作業は含まれていますか。
- 既存の漏水や結露が疑われる範囲の含水確認は含まれていますか。
- 図面と現場が異なる場合、追加費用と工程をいつ再承認しますか。
- 既存不具合の写真と実測表を各工種へ共有しますか。
図面、実測表、既存不具合の写真があれば、発注前に確認する寸法と追加調査の範囲を一緒に整理できます。
現場で確認する順序
この点検で、既存状態と工事による変化を分ける基準をつくります。図面と現場が食い違う場所から確認し、すべての寸法と不具合を明確な位置へ結び付けます。
- 点検基準を整理

最新図面と見積書を並べ、撤去するもの、残すもの、今後も開けられる点検口とメーターを分けます。二つの資料で範囲が異なる場合は、実測前にどちらを基準にするか決めます。 - 寸法と設備位置を実測

窓幅、壁長さ、天井高、配管と電気の位置を直接測り、図面と違う値を部屋ごとに示します。現場で調整しにくい収納と窓は、この実測値から製作へ進めるかを再判断します。 - 既存不具合と弱点を記録

漏水跡、結露、ひび割れ、打痕は、部屋全体と問題箇所の近接写真を両方撮ります。日付と位置を図面や点検表へつなげると、解体後に見つかった損傷と既存不具合を分けられます。
不具合が起きやすい場所

- 既存の漏水跡 着工前に位置と原因候補を記録しないと、新しい仕上げのあとで同じ症状が再発することがあります。
- 構造と設備の制約 構造壁、点検口、配管、配線の位置を確認せず発注すると、解体範囲と費用が増えることがあります。
- 分電盤の容量 新しい高負荷機器と使用可能な容量が合わないと、ブレーカー作動と施工遅延につながります。
濡れた跡があっても、防水だけが原因とは限りません。配管、外壁、結露の可能性を分ける追加調査を決めてから仕上げを選びます。
現場寸法が図面と違う場合は、作業者の現場合わせに任せないでください。製作発注や墨出しの前に、変更図面と見積を承認し直します。
工期と残す記録
点検の目安は約4〜8時間ですが、点検口の開放、含水追跡、追加設備確認は別です。製作発注と解体開始の前に結果を整理する時間も工程へ残してください。
実測表、図面との差異、分電盤とメーターの写真、既存不具合の全景と近接写真、位置表示を保管します。解体後に新しく見えた状態と着工前の状態を分ける基準になります。
事前点検は届出準備のあとに行い、現場セッティングと墨出しへ実測値を渡します。前後の工程も見ると、製作寸法と現場位置を同じ基準で管理できます。
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