この工事で行うこと
巾木施工は、壁と仕上げ床の境目にMDF、PVC、無垢材などを取り付け、床材の切断面と伸縮用の隙間を隠す工事です。掃除や日常の衝撃から壁下部を守る役割もあります。細い部材ですが部屋を一周するため、壁の波打ち、コーナー角度、端部の納まりが悪いと長い線全体が乱れて見えます。

検討したいケース
フローリングや長尺シートなどの端部を隠し、壁下部を保護したい場合に使います。巾木を見せない納まりも選べますが、部材を省くだけでは境目は消えません。壁下部の平滑さ、床材の切断線、伸縮隙間を別の方法で精度よく納める必要があります。
床仕上げと一緒に決めること
床の動き、壁の状態、隣接する建具に合う巾木を選びます。
- MDF、PVC、無垢材の別と高さ、厚さ
- 壁、ドアケーシング、床材に合わせる色と表面仕上げ
- 内角、外角の留め加工と見える端部の処理
- 床材の伸縮隙間と下端シーリングが必要な範囲
- ドア枠、造り付け収納、キッチン台輪と接する端部
見積書で確認すること
総延長だけでなく、コーナー、壁下部の調整、継ぎ目仕上げを確認します。
- 部屋ごとの長さ、材質、寸法、色が記載されていますか。
- 壁下部のほこり、モルタル突起、大きな不陸の処理が含まれていますか。
- コーナー実測、留め加工、ドア枠や家具での端部処理が含まれていますか。
- 接着、ピン固定、壁が湾曲する部分の仮押さえが明記されていますか。
- ピン穴補修と必要な継ぎ目、下端シーリングが含まれていますか。
壁と床の境目の写真や木工見積書があれば、巾木の数量、材質、コーナー、浮きの危険を一緒に確認できます。
現場で確認する順序
巾木は床の伸縮隙間を隠しますが、床の動きを止めてはいけません。壁下部を整えてから、コーナーと端部まで長い線が乱れないよう仕上げます。
- 資材・壁下部準備完了

施工済みの床に高さ、厚さ、色を合わせ、壁下部のほこりとモルタル突起を取り除きます。床材の伸縮隙間は巾木で隠し、接着剤やシーリングで固めて床の動きを妨げていないか確認します。 - 切断・接着完了

壁ごとの長さと実際のコーナー角度を測ってから切断します。長い区間の継ぎ目は目立ちにくい位置へ置き、壁の大きな突起は先に直し、接着剤が固まるまで線が波打たないよう押さえます。 - ピン跡・継ぎ目仕上げ完了

ピン跡と小さな継ぎ目の段差を、形を崩さない範囲で補修します。離れた位置から全体の線を見て、コーナー、ドアケーシング、家具との端部、床との境目に浮きや不揃いな隙間がないか確認します。
不具合が起きやすい場所

- コーナーに残る留め隙間 すべてを45度で切るだけでは実際のコーナーに合いません。現場角度を測らないと、シーリングでもきれいに隠せない隙間が残ります。
- 壁から浮く巾木 壁下部のほこりや突起、圧着不足が接着を弱め、床材の伸縮に伴って巾木が浮くことがあります。
- 塗装後に見えるピン跡 木工段階でタッカーピンの穴を埋めないと、塗装や化粧フィルムの後に小さな点が連続して見えます。
- 床との境目から入る水 水拭きが多い場所で必要な下端シールが切れていると、巾木と床材の端へ水が入り、膨れや浮きにつながります。
厚いシーリングで切断誤差や壁の不陸を隠さないでください。部材を正しく合わせて圧着し、必要な継ぎ目だけを最後に処理します。
部屋ごとの長さ、材質と寸法、コーナー角度、壁下部の補修、端部、固定位置、ピン跡、下端の検査写真を残してください。
工期と残す記録
現場作業の目安は約4〜8時間です。部屋とコーナーの数、壁の不陸、ドア枠や家具との接点が多いほど時間が延びます。接着剤とシーリングの硬化中は衝撃と水拭きを避けてください。
材質、高さ、色、部屋ごとの長さ、コーナー実測、壁下部の補修、端部、固定方法、完成した継ぎ目の写真を保管します。
巾木は壁と床が共有する最後の仕上げ線です。モールディング、床、壁紙の厚さと端部を一緒に確認してください。