この工事で行うこと
モールディング施工は、天井と壁の境目に平型や埋め込み型の見切り材を取り付け、コーナーと継ぎ目、固定跡を整えて塗装や壁紙へ渡す工事です。一本の線に見えても部屋全体の水平を表すため、天井の不陸、実際のコーナー角度、ドアや家具との干渉を先に解決します。

検討したいケース
天井と壁の境目を隠す、平型や埋め込み型の仕上げ線を作る、塗装や壁紙の前にボード端部を整える場合に行います。見切り材を使わない納まりでは、部材を省く代わりに石こうボード、コーナー、パテへ同じ直線精度が求められます。
仕上げ線を決める前に
材料の形と、コーナー、段差、建具、家具を通る納まりを決めます。
- 平型、埋め込み型、見切り材なしのいずれにするか
- 幅、厚さ、色、部屋ごとの始点と終点
- 内角、外角、天井段差をつなぐ方法
- ドアケーシング、収納、カーテンボックスとの干渉処理
- 塗装や壁紙前に終えるピン跡、継ぎ目、研磨の範囲
見積書で確認すること
延長だけでなく、コーナー、下地補正、継ぎ目処理の条件を確認します。
- 部屋ごとの長さ、種類、幅、厚さが記載されていますか。
- 天井と壁の不陸、段差、ボード継ぎ目の補正が含まれていますか。
- コーナー実測、試し切り、接着、継ぎ目圧着が明記されていますか。
- タッカー跡、継ぎ目、木部用充填材、研磨が含まれていますか。
- ドアと家具の開閉検査、最終清掃が含まれていますか。
天井際の写真や木工見積書があれば、モールディングの数量、コーナー加工、補正範囲、開閉干渉を一緒に確認できます。
現場で確認する順序
モールディングは不陸を隠すだけの部材ではなく、部屋を一周する仕上げ線です。経路とコーナーを先に合わせ、継ぎ目と開閉余裕を整えて次の仕上げへ渡します。
- モールディング基準線・切断完了

天井と壁の境目を調べ、部屋全体へ高さと始点、終点を表示します。コーナーを直角と決めつけず、端材を仮合わせして、見える面に隙間が出ない切断角度を探します。 - モールディング固定・継ぎ目圧着完了

長い部材を基準線へ固定し、直線の継ぎ目が同じ視界に集中しないよう配置します。コーナーと突き付け部分へ接着剤を行き渡らせ、表面が揃い、端が浮かない状態まで押さえます。 - 補正・検査・片付け完了

タッカー跡と接着剤跡を形が崩れない範囲で埋め、平滑に研磨します。横から光を当てて長い線の波打ちを確認し、ドアと家具を最後まで開いて、塗装や壁紙の前に干渉を直します。
不具合が起きやすい場所

- 開いたコーナー継ぎ目 切断角度を実際のコーナーに合わせないと、継ぎ目が開き、塗装や壁紙の後にさらに目立ちます。
- 塗装後に見えるピン穴 木工段階でタッカー穴と継ぎ目を埋めないと、小さなくぼみと線が仕上げ面に繰り返し現れます。
- 天井や壁から外れる見切り材 接着剤の接触不足や圧着不足があると、材料の伸縮に伴って継ぎ目が開き、部材が外れることがあります。
- 塗装後に見つかる開閉干渉 引き渡し前にドアと家具を最後まで開けないと、完成後に接触部分を削り、塗装し直すことになります。
厚い充填材で切断の悪い継ぎ目を隠さないでください。最初のコーナーと水平線を直し、仕上げ前にすべてのドアと家具を動かします。
材料の種類、部屋ごとの長さ、基準線、コーナー角度、固定位置、継ぎ目補修、ドアと家具の開閉写真を残してください。
工期と残す記録
現場作業の目安は約8〜16時間です。部屋、コーナー、天井段差、埋め込み型の納まり、開閉干渉の補正が多いほど延びます。木部用充填材が十分に乾いてから塗装や壁紙を始めてください。
材料と部屋ごとの長さ、天井水平、コーナー実測と試し切り、接着とピン固定、継ぎ目補修、開閉余裕の検査を記録します。
モールディングは石こうボード下地の後に取り付け、パテと壁紙へ引き継ぎます。下地の水平と完成厚さを同じ仕上げ線で合わせてください。