工事の概要
バルコニー防水は、解体と床の補修が終わったあと、排水口、外壁の立ち上がり、サッシ下、入隅などの弱点を先に補強し、シートとウレタン塗膜を一続きの防水層として納める工事です。タイルで隠す前に、勾配と表面の状態まで確認します。

この工事が必要な場合
バルコニーを拡張した場合、タイルを全面撤去した場合、排水口やサッシまわりの既存防水に触れた場合は、新しい防水範囲と納まりを決め直す必要があります。仕上げの一部だけを補修し、既存の防水層と排水経路を残せるなら、最初から全面改修と決めず、漏水跡、防水層の傷み、雨水がたまる場所を先に調べてください。
着工前に決めること
防水材の商品名だけでは、完成する防水層の範囲と納まりは分かりません。契約前に次の内容をそろえて決めておきます。
- 床、外壁の立ち上がり、サッシ下、排水口まわりのどこまで施工するか
- シートとウレタンをどの範囲に使い、どこで重ねるか
- 入隅、継ぎ目、排水口などの弱点をどの副資材で補強するか
- タイルを接着できる表面にどのように仕上げるか
- タイル施工前に勾配、シートの継ぎ目、塗膜を誰が検査するか
見積書で確認すること
見積書は、次の質問で内容を確かめてください。
- 解体後の下地補修と勾配修正はどこまで含まれていますか。
- シートとウレタンの施工範囲は、図面や現場写真に示されていますか。
- 継ぎ目、排水口、入隅、サッシ下に使う補強材は明記されていますか。
- 層ごとの乾燥時間と最終養生時間は工程表に確保されていますか。
- ピンホール、浮き、水たまりが見つかった場合の補修と再検査は含まれていますか。
バルコニーの床とサッシ下の写真、または防水の見積書があれば、弱点部の納まりとシート、ウレタンの施工範囲を一緒に確認できます。
現場で確認する順序
広い床面だけを見ていても弱点は分かりません。防水が切れやすいのは、サッシ下、入隅、排水口など、材料や面が切り替わる部分です。下地、シート、塗膜が一体につながっているかを順に確認します。
- 下地・弱点部整理完了

床のほこりと弱いモルタルを除去し、防水材を施工できるまで下地が乾いているか確認します。サッシ下、壁と床の入隅、ドレンまわりのひび割れと隙間を先に補修し、立ち上がりの高さと補強範囲を見えるように示します。 - 自着式シート防水完了

自着式シートは、しわや空気だまりを残さず下地に密着させ、継ぎ目の端が水の流れを受けない向きで十分に重ねます。入隅とドレンには指定の補強材を使い、端部を圧着して全周に浮きがないか確認します。 - ウレタン塗布・仕上げ検査完了

シートの上にウレタンを均一に塗り、製品と各層に定められた乾燥時間を守ります。明るい場所でピンホール、気泡、薄い部分、排水口をふさいだ塗膜がないかを見て、最後に水を流して勾配と排水の両方を確かめます。
不具合が起きやすい場所

- シートの継ぎ目 重ね幅が足りない場合や圧着が弱い場合は、端部が浮いて水がシートの下へ回ることがあります。
- 床の勾配 排水口へ向かう勾配が不足すると雨水が残り、漏水や仕上げの汚れにつながります。
- ウレタン防水面 ピンホール、気泡、薄い部分が残ると、風雨にさらされるうちに水の通り道になることがあります。
- タイル下の表面 骨材が一部に固まると、表面の粗さとタイル接着層の厚みが不均一になります。
漏水跡があっても、床の防水層だけが原因とは限りません。サッシのシーリング、外壁のひび割れ、排水口の接続、床勾配を分けて確認してから補修範囲を決めます。
シート端部の浮きや塗膜のピンホールが見つかったら、タイル施工を止めてください。防水とタイルの担当者が補修範囲と再検査方法を決めてから覆います。
工期と残す記録
実作業の目安は約4〜8時間ですが、下地乾燥、ウレタンの層間乾燥、最終養生、検査と補修は別に必要です。雨、気温、湿度、製品仕様によって次工程へ進める時刻が変わるため、作業時間と立入制限を分けて工程表で確認してください。
製品名とロット、防水範囲、シートの継ぎ目と弱点部の補強、ウレタンの仕上がり、勾配、補修位置を写真で残します。タイルで覆ったあとは直接確認できないため、施工中の記録が最も重要な証拠になります。
バルコニー防水は解体後に行い、新しいタイルで隠す前に合格させる必要があります。前後の工程も見ると、弱い接合部を残したまま仕上げるリスクを減らせます。